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 2022-11-28

トヨタではありませんが、4G32エンジンオーバーホール

 今回は当社部品を使用したエンジンオーバーホールの記事となります。
トヨタではなく三菱A73ランサーGSRの4G32となります。

 本件はTHサービスを開業するよりもずっと昔、私が大学生の時に知り合った方の車両です。
その縁もあってかエンジンオーバーホールのご依頼をいただき実施した次第です。
まずは完成後の写真を。

概要は以下の通りです。

・オーバーホール前
激しいブローバイガス、全く力のないエンジン。

・エンジンを開いた結果
4気筒ともピストンリングが折損(ファースト、セカンドとも)。
シリンダー壁はホーニングでは消せない深いガリ傷。
バルブガイド全長の半分(ポート内突出部分)が全てカットされ、ガタガタ。
ガイド、バルブの状態が非常に悪い。
ロッカーアームおよびシャフトにカジリがあり動きが渋い。
キャブレターは加速ポンプの詰まりでガソリンがほとんど吐出されない。
ファンカップリングが固着、固着を解除すると今度はスカスカに。
古いフルトラが組み込まれている。
スロットルシャフトにガタがありキャブレターの同調が取れない。

・作業の方向性
1.0mmオーバーサイズピストン(ボーリング)。
ロッカーアームとシャフトは傷修正と磨きを実施。
バルブガイド、バルブを新品に入替。
チェーン、ガイド、テンショナー、カムスプロケットを新品に。
クランク&コンロッドメタルは新品に。
ピストン、コンロッド、ピンの重量合わせを実施。
オイルポンプ、ウォーターポンプを新品に。
デスビのオーバーホールを実施。
フルトラをPertronix製に、MSDマルチスパークCDIを取付。
ファンカップリングは見つからないので直結アダプターを製作取付。
キャブレターは洗浄、オーバーホール。
スロットルシャフトブッシュ交換、シャフト研磨、芯出しを実施。

・その他
チェーンカバー、ヘッドカバーはウェットブラストを実施。
オイルパン、プーリー類は剥離錆除去後ウレタン塗装を実施。


なおカムは純正ではないようで基準通りに組んでバルブタイミングを測定しても
明らかに遅れ気味。しかも作用角が整備書よりもだいぶ広い。
という事で整備書を無視して一番しっくりくるタイミングに変更。

 以上のようになります。
なお私がエンジンをオーバーホール中に気を付けている事ですが、
バルブタイミングチェック等や一発目の始動でオイルが空っぽの状態でエンジンを回したくありません。
そこでヘッドまで組みあがった段階でオイルパンを組み付けオイルを入れてしまいます。
そしてオイルポンプを電動ドリルで直接回し予めオイルを全体に循環させます。
その方がクランク、コンロッドメタルやロッカーシャフトのトラブル回避となるからです。

またせっかくの機会なのでフライホイールは研磨、ディスクとカバー、ベアリングも新品にしています。
なお当社の部品は三菱でもデッドストックではありません。
このオーバーホールも全て「今の新しい」部品を使って行っています。
当社ネットショップでの掲載はまだまだ極一部ですが、

「三菱でも満足いくオーバーホールができる」

くらい部品を用意することができます。
4G32エンジンにお悩みがある方やオーバーホールを検討したい方はご安心ください。
部品は今のところちゃんと出ます。

この記事を書いている時点で初始動、エンジン慣らし、キャブ調整と同調取り、試運転も終わり納車を待つばかりの状態です。来年にはこのランサーがどこかのイベントで展示されていると思います。