2022-11-05
T-IGKIT-FT イグナイター(純正フルトラ置換用)実例
今回はエンジンが始動しないという事例について当社取り扱いの
T-IGKIT-FT イグナイター(純正フルトラ置換用)
を使用して復旧した事例の報告です。この報告は車両側の別件トラブルでも
始動しない問題を抱えていました。70年代末近辺のトヨタ車に関連する問題でもあります。
皆様の参考になると思いますのでぜひ最後まで一読いただければと思います。
この車両は昭和53年式TA45カリーナ1600GT(2T-GEU)ですが、完全に始動できなくなる前に
(1)突然アイドリングが500回転くらいに落ちたりまた戻るという現状が頻発
(2)1時間以上走るとエンジンがエンストそれからある程度時間が経たないと再始動できない場合がある
(3)再始動できない場合はフルトラ本体を冷やすと復活する
という事象が発生しており、そしてある時から一切始動できなくなりました。
通常は「フルトラが死んだのだろう」と思いますね。
しかし火花は飛んでいます。なのに一向にエンジンがかかりません。ただし初爆はあります。
言い換えるとキーＯＮで初爆用に燃料が噴射される以外は燃料が出ていないという事です。
これで原因が分かった方はプロですね。
各センサー、スロポジ、エアフロを点検するもすべて正常。
しかし(1)のような挙動不審な現象が発生していたこともありコンピューターのリフレッシュを実施しました。
全てのハンダをやり直し、数個ダメになっていたコンデンサーを交換しました。
しかし、それでも症状は変わらず初爆のみです。。。
行き詰ってしまい、2T-GEUの整備書を読み込み悩みに悩んだげく行きついた答えは。。。
どこかコンピューター用の線が断線しているんじゃないの？
でした。そこでスターターが回っている最中にハーネス各部を揺すっていると、
何とエンジンがかかった！
そう、結局コンピューターに点火信号を送る配線が断線していたんです。
点火信号がコンピューターに送られない場合は、コンピューター的にはスターターが回ってもエンジンは回っていない、
という判断になるため燃料を噴射しないんですね。
で結局点火コイル－に繋がっているタコメーター兼コンピューター点火信号線が
点火コイルから出て5cmくらいのところで内部断線していました。
被服は全く問題無し、これでは分からないわけです。
では何故こんなところが断線していたのか？理由はそこが結束バンドで結構きつく縛られていたからです。長年の振動で傷んだのだと思われます。
という事で該当部分を新規で線を作り直してやると安定してエンジンが始動するようになりました。
しかし10分くらいアイドリングさせていると上記の(1)の問題は解決されていませんでした。
そこで当社フルトラキットT-IGKIT-FTに変更してみることにしました。
するとどうでしょう、エンジンは安定してしまいました！
この一連の流れから3つの問題を考えると以下のような結論に至りました。
(1)突然アイドリングが500回転くらいに落ちたりまた戻るという現状が頻発
純正のフルトラが経年劣化により正しく点火信号が送れていない。
(2)1時間以上走るとエンジンがエンストそれからある程度時間が経たないと再始動できない場合がある
フルトラのよくある末期症状ですね。
(3)再始動できない場合はフルトラ本体を冷やすと復活する
フルトラのよくある末期症状ですね。
つまり今回の問題の原因はフルトラの半壊とコンピューター用信号線の断線で、かつこの2つが同時に発生した事で
問題解決の糸口が非常に見えづらくなり時間がかかってしまったという結果でした。
オーナーのT様、時間がかかってしまい申し訳ありませんでした。
さて、それではフルトラキットですが今回は上記画像のように取り付けております。
フルトラも半壊しているとはいえ、万一フルトラキットが壊れた場合に一時的にでも走行できるよう敢えて配線を外すだけで残すことにしました。配線3本ほどを元に戻せば純正状態に戻せます。
配線は最短ルートより気持ち長く作成
端子にはブーツを被せて接触ショートを防止
アース線はバッテリー直で接続
としました。
なお赤い某有名なプラグコードはこのキットには適しませんので早急にコードを変更することになっています。
しかし、
どのコードも5kΩ以上の抵抗値(めちゃ高いです！)
各コードの抵抗値がバラバラ(うたい文句は全てのコードが同じ抵抗値では？)
でした。12年使ったとの事ですがこんなもんなんでしょうかねぇ。
以上、純正フルトラでT-IGKIT-FTに交換を検討されている方の参考になれば幸いです。