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 2022-09-28

Pバルブ

日々部品開発や開拓をしているTHserviceですが、
それらの都合上実際の部品を取り外し、分解し、構造を確認する作業をする場合があります。
今回は製品とは関係ないのですが、Pバルブのお話です。

これはTARA1#2#カリーナセリカのPバルブです。
ちょうどエンジンの後ろ側に取り付けられています。
前置きエンジン車の場合、当たり前ですが前が重く後ろが重いですね。
そのためブレーキの効きは前が強くなくてはなりません。
またその配分はフロントがディスクかドラムかでも変わってきます。

さて、そんなPバルブですが通常の整備では完全にスルーされる部品です。
しかし後ろのブレーキがどんなにキッチリ整備しても効かないなんて場合があります。
その場合はたいていPバルブが悪さしています。

写真のPバルブ、新品ではないですよ。THserviceで分解清掃した物です。
分解するとこのようになっています。

はい、ヘドロまみれです。このヘドロまみれの内部を通過して
リアのホイールシリンダーへと制動力が伝わります。
写真には写っていないのですが内部には圧力調整を担う特殊なゴムカップが入っています。
これら部品がヘドロに邪魔されて動かなくなると、
リアの制動力が落ちたり、最悪Pバルブ内が塞がって制動力ゼロとなります。

内部のゴムカップは部品供給の無い物ですが、
カップは経験上痛みがほぼありません。
内部と部品をしっかり清掃し、ブレーキグリスを用いて再度組み立ててやればOKです。


なお以下はフォードのコンビネーションPバルブです。

トヨタのリアだけの圧力調整とは違い、前後の両方を管理しています。
これは表面を綺麗にした状態の写真ですが、いざ中を開けてみるとご覧の通り。

程度の差はあれヘドロが溜まっております。
なおスイッチのような物(グリーン)がありますが、
これはコンビネーションバルブなのでフロントとリアの圧力を見ています。
異常が発生しペダルを踏んだ時にどちらかの圧力が低下すると
写真上のピストンが圧力の低い方にスライドしてスイッチがON、
メーター内の警告灯を光らせるという仕組みです。

これも当然ですがバルブ内、全ての部品を徹底洗浄します。
幸いフォードの場合は社外部品がありますので新しいカップにて組み立てます。

こんなもの自己満足だろう、と思う方もいらっしゃると思いますが
作業前後では経路がヘドロに邪魔されず、また可動すべきものが正しく可動するので
ペダルフィーリングからして違います。当然本来の正しい効きとなります。

トヨタ車の物は非常に簡単なので自分でトライする価値はあります。
フォード車(71-73マスタング)の場合はブレーキマスターを外した後に
5本のブレーキパイプを外します。たいてい特定箇所のフレアナットがまともに外れません。
知恵を使って外すことになります。熟知したショップさんにお任せしたほうがいいでしょうね。
ぜひブレーキオーバーホール時の項目に加えてください。