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 2021-04-14

販売済みマスタングコンバーチブル国内新規登録準備

皆さんおはようございます。
昨年末お客様にご購入いただいた71年型マスタングコンバーチブル、
お客様の都合でガレージ内で寝かされていましたがいよいよ登録です。

登録とはいっても事前の書類と車両チェック以外は普通の車検と同じです。
そして
車検のための作業(その日ラインを通ってパスすればいいだけの作業)

安心して乗れる作業(良い状態が永続的に続く作業)
がありますが、当然後者の作業を実施します。

では早速。いきなりエンジンルームの図ですが作業の半分はここに詰まっています。
そう、電気&点火系統です。

写真をご覧ください。配線がたくさん接続されているのがスターターリレー
ですが、その横にどこにでも売っているエーモンのリレーが設置されています。
これはイグニション専用のリレーです。
オリジナルの古くてボロボロのイグニション線はあまり信用できません。
イグニション線はリレーの信号線になってもらいます。そうすれば、

・イグニション線の負担は激減し配線トラブルのリスク回避
・バッテリー直でくる安定した電源によるフルトラ点火

の2つの利点が得られます。

安定電源が得られたところで次は点火パーツの見直しです。
まずバキュームアドバンサーのダイアフラム破れがあったため新品に交換。
当たり前ですがポイントプレートの動作チェック済みです。

次に消耗パーツとして
スパークプラグ(NGK製が安心ですね)
デスビローター
デスビキャップ
を交換します。

またMSDプラグコードを材料(ケーブル、端子、ブーツ等)で保有していますので、
この車両に合わせて製作しました。既製品もありますが、いろいろなエンジンに
取付できるように作られているため、長さがジャストではなく美観が損なわれます。

上記の作業実施によりエンジンは物凄く調子が良くなりました。
始動性が劇的に良くなったのもありますが、
エンジンを掛けて数分すると絶え間なく排気管から水がポタポタと出てきます。
吹かすとまるで噴霧器のように後ろに水飛沫が飛びます。
良い燃焼をしている証拠ですね。

続いてヘッドライトリレーの増設です。
国産旧車だとヘッドライトリレーがもとからありますが
アメ車の場合リレーを使っていない場合が多々あります。
マスタングもリレーを使わないので、

バッテリー → 室内のライトスイッチ → ヘッドライト

とぐるっと一周してライトが点灯します。
古い配線で長い経路となりますので当然光量不足になりがちです。
そして一番の問題がライトスイッチが徐々に熱くなり、
最終的には抵抗をもってライトが点灯しなくなる、という持病です。
夜間に真っ暗になってしまう危険性と車両火災のリスクがあります。
リレーを設置してこれらも問題を解決しつつ光量アップも図ります。

あとウォッシャー類が欠品していたためDENSOタイプの物を設置しました。
タンク右横にスペースがあるため、ここには後日リザーバータンクを設置します。
そう、マスタングはリザーバーがありませんので溢れたLLCは排出されます。

またサイドのウィンカー、当時のアメリカの法規ではサイドウィンカー
は無しでも問題無いため、60~70年代車の多くは有りません。
当然日本ではNGなので設置する事になります。
後付ウィンカーの形状や取付方はオーナー様と相談する必要があります。
これについては車検対応という事で車体加工をしなくていいようステーを製作、
もともとサイドマーカーのある部分に設置しました。
なお使ったウィンカーは20系カローラ用です。

最後に排気管です。これが一番面倒でした。
この車両はアメリカの個人が適当に直して乗っていたものです。
修理もその人がやっていたのでしょう。かなりアバウトです。
ここにもちまれた時点で

・タコ足ガスケット抜け
・溶接がヘタクソすぎて全ての溶接個所から排気漏れ
・腹下で排気管とボディを溶接して固定している(理解不能)
・前から後ろまで溶接しているので車体から排気管が抜き出せない


の状態でした。したがって以下の作業実施となりました。

・タコ足は取り外して錆取り耐熱塗装後、新ガスケットで取付し直し。
・溶接部の排気漏れは全て追加溶接で穴埋め。
・排気管は一度カット、前後2ピース構造とし取り外しできるようにした。
・マフラー手前でフランジを設置し容易に分割できるようにした。
・排気管をカットした際にどこにも当たらないライン取りをして再溶接した。

これらの作業を経てやっと「クルマ」に戻ることができました。
あとは最寄りの陸事へGOです。4月中にナンバーを付けたいです。